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免疫と免疫寛容

アレルギーといえば免疫。
免疫という言葉で私が思いつくのは“麻疹は1度かかると免疫が出来るから二度とかからない”といったところでしたが、実は免疫とは非常に広範囲に及ぶ、奥の深いものでした。深すぎです。

「自己」と「非自己」

免疫とは「自己」と「非自己」を区別して「非自己」を排除するシステムです。
自分の家に見知らぬ他人がほいほい入り込んで、そのまま住み着いて家を乗っ取られたら困りますね。当然追い出しにかかります。

私たち一人ひとりの全細胞には、自己の細胞であることを証明する固有の目印(MHC、種特異的補体制御膜因子など)があり、自己と異なる目印を持った異物(抗原)を免疫システムが「非自己」と認識すると、これらを排除しようとして免疫反応が起こります。

抗原とは、微生物(細菌、ウィルス、カビなど)、寄生虫、癌細胞、移植された臓器や皮膚、血液など免疫反応を起こさせる物質です。
ちなみに輸血や臓器移植による拒絶反応も、免疫システムによるものです。

自分の体の組織細胞は「自己」ですから、免疫反応が起こると自分の体が傷つけられてしまいます。また、食べ物や腸内細菌は「非自己」なので排除されるはずですが、排除されてしまうと栄養を摂れないので、生きていけません。
自分に害を及ぼさない「自己」「非自己」抗原に対しては、免疫システムが反応しないようになっています。これを「免疫寛容」といいます。

漆職人は、あらかじめ漆を食べておくことでかぶれを予防するそうですが、これも免疫寛容(経口免疫寛容)によるものです。

敵味方の区別をつけて身内や自分に得になるお友達は家に入れますが、たとえ家族であっても裏切り者は排除。
免疫一家は情け容赦がありません。いや、あると困りますが。

免疫性疾患

免疫システムの不具合により、以下のような疾患がおこります。

アレルギー疾患は、食べ物や花粉など本来は免疫寛容であるべき「非自己」抗原に対しての、過剰な免疫反応です。

これに対し免疫不全疾患は、排除されるべき「非自己」抗原に免疫システムが正常に働かず、感染症などが繰り返し起こります。エイズが代表的。

自己免疫疾患は、「自己」である体の組織細胞(自己抗原)に対して、免疫システムが攻撃してしまうことで起こります。

癌は「自己」の健康な組織細胞が変異して発生します。健康な体であっても癌細胞は発生していますが、通常は免疫システムにより「非自己」とされて排除されます。
ところが免疫システムに不具合があったり、免疫システムが正常であっても癌細胞の増殖が勝れば、病気は進行します。

ついでに・・・

免疫とアレルギーはシステム的には同じなんですね。相手を間違えた免疫反応がアレルギー。花粉症やアトピーの辛さを考えると、免疫システムの攻撃力が、いかに強力であるかが分かります。

参考リンク
『メルクマニュアル家庭版:183章』
『TMG Network:病気と健康 自己免疫疾患を接点に』
『医療相談と老人介護:免疫の異常反応(4)』