ホーム 鼻の健康についてあれこれ

参考リンク

獲得(特異)免疫6:ナチュラルキラーT細胞

ナチュラルキラーT(NKT)細胞の発見者も日本人です。1986年に谷口克先生のグループにより発見され、本格的な研究が始まりました。

NKT細胞はNK細胞とT細胞の両方の性質を持っていて、自然免疫と獲得免疫の両方の橋渡しを担っています。
これまではヘルパーT細胞が免疫反応をコントロールしていると考えられてきましたが、現在では、NKT細胞が免疫系統自体を制御する総司令官ではないかと考えられるようになってきました。

NKT細胞は非常に数が少なく体内に0.01%しか存在しませんが、肝臓や骨髄の造血にかかわる臓器に多く存在します。

NKT細胞はNK細胞と同じように、MHCを持たない細胞を単独で攻撃し、自己MHCを持つ細胞は攻撃しません。
また、樹状細胞のMHC1d分子から抗原の情報を受けると、サイトカイン(IL-4, IFN-γ)を産生してNK細胞を活性化したり、Th1細胞とTh2細胞の活性化をコントロールします。
更に自己免疫疾患を抑制したり、癌の発生も抑えることも判明し、医学界の注目を集めています。

また、他のT細胞が胸腺で訓練されてから分化するのに対し、NKT細胞は胸腺でもつくられますが、全く別系統でもつくられることから、胸腺を必要としないのではないかとも言われます。
しかも、生まれる前の胎児の状態において最初につくられるリンパ球であることから、NKT細胞を中心とする免疫制御系が免疫系のプロトタイプである可能性も示唆されています。

ついでに・・・

おぼろげながら自然免疫と獲得免疫の違いが分かってきたと思ったら、両方にまたがるリンパ球もいるんですか・・・将来、免疫の概念が現在と全く変わってしまっても、わたしゃ驚きませんね。

参考リンク
医学書院:週刊医学界新聞第2223号
脂質と血栓の医学:NKT細胞