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獲得(特異)免疫8:抗体の種類

IgE抗体はアレルギー性鼻炎で有名ですが、他の抗体も重要な働きをします。特に出産の時には、抗体が大活躍していたのでした。

B細胞が形質細胞になると、分泌形の免疫グロブリンを抗体として産生します。

抗体の形は Y のようになっています。

ふたまたに分かれた V の部分は可変領域(V領域)と呼ばれ、ここで抗原と結合します。様々な抗原に対応するために、抗体ごとに微妙に異なった形をしています。対応できる抗原の種類は10の15乗、1000兆種。

下部の I は定常領域と呼ばれ、IgM、IgG、IgA、IgE、IgDの五種類(アイソタイプ)に分けられます。最初はIgMクラスの抗体がつくられていますが、クラススイッチが起こると他種類の抗体が順番に大量生産されていきます。

IgM抗体

抗原に対し最初に反応する抗体で、血流中に含まれます。IgG抗体がつくられるようになると、産生量は低下していきます。
IgM 抗体は、Y字形をしたIgM抗体の分子が星形に5個結合している大型の抗体で、補体を活性化しやすい特徴があります。補体は、種特異的補体制御膜因子を持っていない細胞にだけ反応しますが、IgM抗体は種特異的補体制御膜因子がある、つまり自己の細胞にも補体反応を起こさせることが分かっています。補体が活性化すれば、各種白血球や抗体を呼び寄せたり、補体自体が感染細胞を攻撃します。
例えば、HIVウィルスに感染した細胞にIgM抗体が反応して、補体反応で撃退することも出来るそうです。

また人の血液型抗体もIgM抗体ですが、大型なので胎盤を通過できないため、母親が血液型の違う子供を妊娠できる仕組みになっています。

IgG抗体

IgG抗体は免疫反応においてIgM抗体の次に産生が始まり、最も産生量が多く寿命も長い抗体です。血流中や組織中に含まれます。
二回目に麻疹などにかかった時などに発病しないで済むのは、メモリーB細胞によってIgG抗体が大量に産生されるためです。
IgG抗体はIgG分子が一つで存在し、母親の胎盤を通して胎児に移行する唯一の抗体で、胎児や新生児の免疫機能を補っています。赤ちゃんが、生まれて一年ぐらいは麻疹にかからないのはこのためです。

IgA抗体

IgA抗体は分子が二または三個結合したもので、消化管などの粘膜からの分泌物、鼻汁や唾液、母乳特に初乳中に多く含まれます。
IgG抗体と同じく新生児の免疫力を補い、呼吸器や腸管系の細菌やウィルス抗原に反応するようです。母乳で育てている赤ちゃんに下痢が少ないのは、母乳のIgA抗体のおかげと考えられています。

IgE抗体

いわゆるアレルギーに関与する抗体です。分子の数は一つで産生量は五種類の抗体中最少。
産生されたIgE抗体は、組織内の肥満細胞や血流中の好塩基球の受容体と結合します。この状態は感作と呼ばれますが、まだアレルギー症状は起こりません。
感作された状態で再び抗原が体内に侵入し、細胞に結合したIgE抗体に結合すると、細胞内に蓄えられたヒスタミンやロイトコリエンなどの化学物質(ケミカルメディエーター)が一気に放出され、周囲の組織に炎症を起こします。
この反応は、抗原が生体内に侵入した直後から数時間以内に起こる1型、または即時型アレルギー反応と呼ばれます。

IgD抗体

血液中に僅かに含まれる抗体で未だ正体不明、研究途上の抗体です。病気を治してくれる抗体だと嬉しいかも。

ついでに・・・

ハチに刺されて腫れるのはIgE抗体による即時型反応だそうです。二度目にスズメバチに刺されると非常に危険なのは、一度目に刺された時に抗体ができてしまうからなんですね。

参考リンク
やよいわ〜るど:IgM抗体、特に血液型について
東邦大学メディアネットセンター:抗体とは何か
CHILD RESEARCH NET:わが子を守る母親の免疫抗体−2
名古屋市立大学分子医学研究所:研究内容の紹介