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内視鏡下副鼻腔手術(ESS):楽になった蓄膿症手術

蓄膿症の手術は、医学や機材の進歩によって、昔に比べると患者の負担が大分軽くなりました。

慢性副鼻腔炎と診断され、一定期間抗生物質と鼻腔内洗浄による治療を行っても効果が上がらない場合は、手術による治療が選択肢に加えられます。また、最初から副鼻腔全体が酷い炎症を起こしている場合にも、手術による治療を選ぶことになります。

ESSの目的

ESSと呼ばれる内視鏡下副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery)は、1990年代以降、急速に普及してきました。

ESSは、副鼻腔が本来持っている換気機能を回復させることを目的とします。
副鼻腔と鼻腔をつなぐ自然口を手術で広げ、副鼻腔内に新鮮な空気が十分届くようにすることで、副鼻腔の粘膜が正常に機能できるようにするのですね。通気の障害になる鼻茸や、肥厚した鼻甲介も切除しますが、炎症を起こしている粘膜を根こそぎ切り取ることはありません。術後も鼻腔や副鼻腔内粘膜の炎症は残っているので、退院後のマクロライド、洗浄治療は必須となります。

つまり、薬による保存的治療では改善されなかった副鼻腔粘膜の自力再生を助けるための手術なんですね。
このため、従来の副鼻腔炎手術(コードウエル・ルック法)が“根治手術、根本手術”と呼ばれるのに対し、ESSは“保存手術”と呼ばれます。

根治手術とESS

従来の根治手術に比べると、完治までに時間はかかりますが、ESSは出血や痛みも少なく、術後に頬がしびれることもありません。従来の根治手術にありがちな術後性頬部嚢種の可能性も非常に少なく、入院期間も短くて済みます。

根治手術の際は約三週間の入院が必要だったようですが、ESSでは十日〜症状によっては日帰りも可能になっているようです。
両鼻の手術が必要な場合、従来の根本手術では一週間ほど間をあけて、片方ずつ行っていましたが、ESSの場合、症状によっては両鼻を一度に手術することも可能とか。
それだけ手術による患者への負担が、減少したということでしょうね。

治療成績も良好で、細菌感染やアレルギー性の副鼻腔炎の場合は90%以上の患者が改善されるそうです。従来法による改善が60%程度だそうですから、かなりのものですね。
しかし、喘息を合併した副鼻腔炎の場合の改善度は60%ほどで、再発も多いそうです。

ついでに・・・

30年前にESSがあったら、多分私も手術嫌いにならなかったはず。って、手術が好きな患者なんているのか?

参考リンク
Amazon.co.jp:保健同人社:切開しないで治す蓄膿症
済生会新潟耳鼻科:内視鏡下鼻内手術のパンフレット